公益財団法人がん研究会(所在地:東京都江東区、理事長 浅野 敏雄、以下「がん研究会」)・公益財団法人がん研究会 有明病院(所在地:東京都江東区、病院長 佐野 武、以下「がん研有明病院」)と内視鏡の画像診断支援AI(人工知能)を開発する株式会社AIメディカルサービス(本社:東京都豊島区、代表取締役CEO:多田 智裕、以下「AIM」)は、2023年1月20日に内閣府から発表された「第5回 日本オープンイノベーション大賞」受賞者の決定において、内視鏡の画像診断支援AIの研究開発が、学術の視点から特に顕著な取り組みとして「日本学術会議会長賞」を受賞したことを発表します。

日本オープンイノベーション大賞は、平成30年に設立され組織の壁を越えて知識や技術、経営資源を組み合わせ新しい取り組みを推進、日本の今後のロールモデルとして期待される先導性や独創性の高い取り組みを表彰するものです。

●受賞内容の詳細について

賞名 日本学術会議 会長賞
取組・プロジェクト名称 内視鏡の画像診断支援 AI(人工知能)の開発
受賞者 ・ 多田智裕((株)AI メディカルサービス 代表取締役 CEO)
・ 藤崎順子((公財)がん研究会 有明病院 上部消化管内科消化器内科部長
上部消化管内科部長 健診センター長)
・ 平澤俊明 ((公財)がん研究会 有明病院 上部消化管内科 胃担当部長)
・ 由雄敏之((公財)がん研究会 有明病院 上部消化管内科 食道担当部長)
・ 内海潤((公財)がん研究会 法務・知財室 シニアアドバイザー)

・第5回 日本オープンイノベーション大賞 の詳細は以下内閣府HPからご参照いただけます。
https://www8.cao.go.jp/cstp/stmain/20230120oip.html

■がん研究会・がん研有明病院とAIMの取組について

がん研有明病院とAIMは、2017年から産学連携を通じた内視鏡画像診断支援AIの研究および開発を本格的に開始し、がん研有明病院の医師とAIM多田智裕の共同執筆、または、共同研究に関連する計14本の内視鏡AIに関する学術論文を発表してまいりました。

2018年には、がん研有明病院の平澤俊明医師を筆頭著者として、世界初の内視鏡AIによる胃がん検出論文を発表しました(Hirasawa T, et al. Gastric Cancer. 2018;21(4):653-660.)。

また2019年には、がん研有明病院の由雄敏之医師を責任著者として、世界初の食道がん検出AI開発に成功と報告しました(Horie Y, Yoshio T, et al Gastrointest Endosc. 2019 89(1):25-32[j1] )。

また、本研究の開始時から知財マネジメントを重視し、がん研究会とAIMが共同出願し、内視鏡AIに係る基本的な特許(日本国特許第6657480 号、PCT/JP2018/040381)を取得しました。関連技術ならびに改良技術も含め、関連特許出願は累計6件に上ります。

■内視鏡AIの開発に至った背景

世界的に胃がんの罹患者数は年間100万人以上、死亡者数は80万人にのぼり、がん死亡者数の内訳で見ると第4位に位置します。また、日本においては胃がんの罹患者数は全体の第3位、がん死亡者数でも第3位となっています。

胃がんは、早期に発見できれば十分治癒可能な疾患ですが、病気が進行すると死亡率が高まります。一方で、早期の胃がんは経験のある専門医でも判別が難しく、2割程度が見逃されているとも言われています。

胃がん鑑別AIを用いることで、非専門医でも専門医並みの精度で、早期胃がんを発見することが可能となり、早期胃がんの見逃し低減が期待できます。また、人工知能の特性として、いつ・どこで利用しても性能は一定であるため、究極的には、過疎地域や離島でも、国内トップクラスの医療機関と同等の診断を受けることが可能となり、内視鏡検査の品質の均てん化にも繋がります。

■がん研究会について

がん研究会は1908年に日本初のがん専門機関として発足して以来、100年以上にわたり日本のがん医療において主導的な役割を果たしてきました。基礎的ながん研究を推進する「がん研究所」や新薬や遺伝子を研究する「がん化学療法センター」「がんプレシジョン医療研究センター」、さらに臨床研究を推進する「がん研有明病院」を擁し、一体となってがん研究拠点を形成しています。

■がん研有明病院について

1934年の癌研究会附属病院開設に遡るがん研有明病院は、先端的がん医療の開発、AIホスピタルへの取り組み、またチーム医療に基づくトータルケアを推進し、研究所と連携した新しい医療の創造を実現しさらなる発展を目指しています。

■AIメディカルサービスについて

AIMは「世界の患者を救う~内視鏡AIでがん見逃しゼロへ~」をミッションに掲げる、医療AIスタートアップ企業です。内視鏡医療は日本が最先端であり、質・量ともに世界最高水準のデータが蓄積されております。なかでも、AIMは100施設以上の医療施設と共同研究・製品開発を進めています。当社は内視鏡AIを医療現場にいち早くお届けすることで、がんの見逃しを減らし、世界の患者を救うことを目指しています。

■代表取締役CEO 多田智裕について

多田 智裕(ただ ともひろ)医師 医学博士

【所属・役職】
株式会社AIメディカルサービス 代表取締役CEO
医療法人ただともひろ胃腸科肛門科 理事長

【概略】
1996年東京大学医学部医学科卒業。東京大学医学部附属病院外科研修医として勤務。2005年に東京大学大学院医学系研究科博士課程修了。2006年よりただともひろ胃腸科肛門科を開業。2012年より東京大学医学部腫瘍外科学講座客員講師。2017年株式会社AIメディカルサービスを設立、代表取締役CEOに就任し、現在に至る。

法人概要  ――――――――――――――――――――――――――――――
法人名   :公益財団法人がん研究会
所在地   :〒135-8550 東京都江東区有明3-8-31
代表者   :浅野敏雄
設立       :1908年4月
目的       :体系的がん研究と先進的がん医療の推進を通じて、がんの克服をもって人類の福祉向上に貢献する

会社概要  ――――――――――――――――――――――――――――――
会社名   :株式会社AIメディカルサービス
所在地   :〒170-0013 東京都豊島区東池袋1丁目 18-1 Hareza Tower 11F
代表者   :多田智裕
設立       :2017年9月1日
事業       :内視鏡の画像診断支援AI(人工知能)の開発