2022年5月11日(水)より東京ビックサイトで開催された「第6回AI・人工知能EXPO【春】」はAIに関する様々な最新技術が集結している。そこで注目したのがvizo株式会社(以下vizo)の最新AIソリューションだ。
最新の技術が一目でわかるダイナミックな展示に惹かれ、同社の篠原健悟氏にお話を伺った。
人の流れをAIが検知
人流のカウントや分析を行うサービス「COUNT VOX」は店舗運営に役立つビッグデータを収集可能だ。セットトップボックス(STB)とウェブカメラだけで簡単に設置でき、データはクラウドで保存する。
STBとカメラの端末側のみで起動する「エッジAI」に搭載されるAIモデルは、vizoが独自開発したAIであるため他社のAPIを使用しておらず、STBへのセットアップが可能なのである。 この「エッジAI」はサーバー側のAIへのアクセスがなく遅延が発生しないため、リアルタイムなAIの処理ができるところが最大の魅力と言える。業種や事業規模に応じた様々なカスタマイズが可能なのもvizo独自の強みだ。
「COUNT VOX」は主にスーパーや大型ショッピングセンターなどの店舗に置くことで、人気商品や人の多い時間帯、場所などをデータ化して管理できる。店舗全体ではなく指定範囲でエリアを特定してカウントすることもできるのが特徴だ。食材を扱うエリアでは、需要のある商品を見極めていけば食品ロスの削減にもつながるという。また、コロナ禍による密の対策や、街中の人流を分析することで災害時などにも活用することを見越している。
サーバー上でのサービスと違い、画像の処理は全て「COUNT VOX」本体のみで動いているため、プライバシーの安全も保たれている。
DXによる社会問題の解決
カウントAIによる認識は、人のみではなく製造業などの現場でも活用できる。
生産している部品などの数量や不良品の検知し、人によるミスやエラーの見落とし防止として検品コストの削減につながる。そのほか、老朽化した設備や建造物の危険個所を検知する「異常検知システム」としての活用が増えているとのことだ。
近年では高齢化社会などにおいて製造業での人手不足が問題となっているため、今後人手に変わるAIを導入する企業が増えていくとされている。AIなどのデジタル技術をビジネスや生活に取り入れ、環境を変化させていくDX(デジタルトランスフォーメーション)が重要視されてきているからだ。
職人の感による製造工程や人の曖昧な判断に頼っていた検品などにAIを活用することで見落とし防止の他にも人手不足の解消となり、DXはこうした社会問題の解決に繋がっていく。
顧客の属性をデータ化
人の属性を分析・データ化する「MAI」は店舗向けのマーケティング用AIソリューションである。
デジタルサイネージと組み合わせ活用することにより来客人数、年齢や性別、表情などを認識し、エリア内の立ち寄り率や滞在時間の計測などマーケティングに役立つ顧客の分析データを可視化することが出来る。
顔認証AIで表情を読み取ることで、コンテンツへの関心度や不審な人物の検知も可能だ。新型コロナの感染対策に欠かせないマスク着用の有無も判定することができる。
また、人物を顔認証をさせることで個人の特定も可能だ。
導入実績として、ある医療業界の受験で本人とは違う「替え玉」の特定に活用されているようだ。
非接触型のディスプレイで遊べるアミューズメント
「AI GAME」は人の動作を検知する「骨格認証」という技術を使った動作AIを使用。非接触で操作出来るアミューズメントとして、娯楽施設やイベントでの活用が出来る。
また、動作AIを使用すれば、介護施設や工場での転倒による事故防止等、利用できる可能性は様々だ。このような非接触型ディスプレイは、現在のタッチパネルに代わって活用されていくとされている。
篠原氏によると現在はまだ構想の段階も多いが、これからの将来AIを使用した様々な技術は多くの施設や店舗にかかせない存在になってくるという。
企業情報
社名:vizo株式会社
本社所在地:神奈川県川崎市川崎区宮前町8-11
代表取締役:ホー・フィ・クーン
事業内容:AI導入支援、新規開発、オリジナルAIソリューションの提供、VRコンテンツ制作、VRアプリ(vizo360)の配信
URL:http://www.vizo.co.jp/