株式会社トレタ、トレタCC株式会社とユニロボット株式会社が約2年の時間をかけて研究と開発を行ってきた AI電話自動予約受付サービス「トレタ予約番」が2021年4月15日より正式に提供を開始した。
飲食店の生産性アップと売上アップの両方を実現することができる「トレタ予約番」とはどのようなサービスなのか。そしてこのサービスを可能としたunirobot cloud – 自動応答AIサービス とはどういったものなのか。今後の展望についても含めて、ユニロボット株式会社取締役CTO前田佐知夫氏とコーポレート部長深田知利氏、広報担当清水規子氏から話を伺った。
「トレタ予約番」とは
「トレタ予約番」は飲食店にかかってきた電話をAIが自動で24時間365日対応する株式会社トレタが提供するサービスの一つだ。まず、飲食店に予約者から電話がかかってくる。予約者が利用希望日時や人数、希望条件を電話口で伝える。その内容をAIが解析し内容を把握する。そして合成音声により自動で返答を行い、最終的に予約の受付まで自動で行うことができる。
このAIによる自動応答を可能にしているのが、unirobot cloud – 自動応答AIサービス だ。
unirobot cloud – 自動応答AIサービス を導入することで
ユニロボット株式会社が提供しているunirobot cloudはクラウド提供型の会話エンジンで、同社のコミュニケーションロボットuniboの開発と共に生まれたサービスである。コミュニケーションを豊かにするための各種インテリジェンス機能(対話エンジン、音声認識・音声合成、感情解析、顔認証など)をサブスクリプションサービスとして提供している。
業務オペレーションの音声入力化や電話自動応答化、ロボット等のハードウェア制御、IoT連携などの実現にあたり必要となる各種先端技術をクラウド経由で提供している。各種機能は必要なものだけ利用することができる。
unirobot cloud –自動応答AIサービスによる対話のイメージはこちらの動画を見るとより分かりやすいだろう。
ガス会社への問い合わせの例を挙げているが、従来のコールセンターと圧倒的に異なる部分がある。自動応答AIを使うとガイダンス待ち時間が0となるのだ。
ここからは、ガイダンス待ち時間が0になる仕組みと他のunirobot cloudを導入することで得られる利点を紹介していきたい。
ストレスフリー、自動音声にありがちな「〇〇の場合は1を押してください」がない
コールセンターのガイダンスでこういった自動音声をよく耳にする。
「〇〇のご用件は1番を押してください。」
「××のご用件は2番を押してください。」
この機能はIVR(Interactive Voice Response)と言って、電話を受けた際にあらかじめ用意された音声案内や問い合わせ内容に応じた番号を入力することで担当オペレーターへ繋がるシステムのことだ。コールセンターの生産性向上を狙ったシステムではあるが、うまく聞き取れずにリプレイすることや番号を打ち間違えてしまって違う案内先に繋がってしまうなど利用者にとっては強いストレスを感じる時間になることが多い。
unirobot cloudは入電後、AIが自動で電話を受けるため、待ち時間が0となる。
電話が繋がらず、予約ができないというストレスから解放されるのだ。
AIの自動応答だからできる24時間365日対応・店員の業務負担軽減
unirobot cloudは、24時間365日電話受付を行うことができる。飲食店の営業時間外や定休日にかかってきた電話予約の取りこぼしを無くすことで、機会損失防止による売り上げUPの期待が持てるのだ。また、営業時間中すべての電話対応をAIに任せることで、従業員の稼働時間を減らすことも可能である。電話対応の時間をそのまま他の作業時間に当てることで、昨今の人出不足を軽減し運営コストの削減にもつながるのだ。
複数の機能でカスタマイズが可能
unirobot cloud はAI電話自動予約受付サービスを提供している企業向けのサービスだ。
飲食店以外にも電話予約が必要な業種は多岐にわたり、サービス導入にあたってはそれぞれの業種に合わせたサービスを展開していかなければならない。
シナリオ型のサービスで会話をカスタマイズ
unirobot cloudは所謂シナリオ型と呼ばれる、AIでの会話の内容を企業がカスタマイズできるようになっており、ブラウザ上で操作ができるようになっている。他の自動応答AIサービスではAIの機械学習を使って会話させることが多いが、そうではない。
「こういう会話の場合は、こういうような処理をしたい」などの企業自身が自分たちの業種に合わせた内容に改変することができる。
「トレタ予約番」を例に挙げると、
「明日の2時に5名でお願いします。」というような電話があった場合
「(本日が4/26の場合)4/27の14:00に5名様でよろしいですね」と応答するように、受付の処理をカスタマイズ可能だ。
設定を変えてさえしまえば、後はAIが勝手に適切なタイミングで発話したり、情報を受け取ったり、引き出したりする。
このカスタマイズ性が「トレタ予約番」がunirobot cloudを採用した一つの理由と言える。
音声認識や音声合成までもカスタマイズの対象
カスタマイズできるのは会話だけではない。unirobot cloudを提供しているユニロボット株式会社は利用者が使いやすいカスタマイズ性を意識して開発を行っている。音声認識のメーカーについても変更することができる。
音声合成の内容に関しては、状況やアナウンスのタイミングによって「やわらかい少し高めの声」や「ちょっと幼い声」に変える。このキャラクターにはこの声を当てはめるなど設定方法も様々だ。
未来への展望
「トレタ予約番」ならびにunirobot cloudは、提供を開始したばかりのサービスだ。今後、様々な機能を追加することでパフォーマンス性の向上や他の業務への利用を検討しているようだ。
「トレタ予約番」の今後
飲食店の予約を自動応答AIに任せることで、飲食店のオーナーはいままで逃してしまっていた利用者の問い合わせも受け付けられる。従業員の電話応対の時間も他の業務時間へ回すことができる。サービスを導入することで様々な面での負担を減らせるのだ。
店舗に電話をかける利用者に対しては、電話が繋がらない、繋がったとしても長時間待たされるなどのストレスを軽減される助けにもなる。
コロナ禍で飲食店を含む多くの接客業を生業とする店舗は営業時間の短縮を求められている。電話対応を「トレタ予約番」に任せることで苦境に立たされている飲食店を助けることができるだろう。
unirobot cloudの未来
「トレタ予約番」を皮切りに、飲食店の予約システムに対して自動応答AIサービスの提供を開始した。シナリオ型での会話、音声認識や音声合成のカスタマイズ性を持ってすれば他の業種のコールセンター業務への導入もスムーズに行うことができるだろう。
また、unirobot cloudは音声がなくとも、テキストのみで会話を成り立たせることもできる。チャットボットのサービスへ提供することも可能だ。今後、予約システムへの自動応答AIサービス以外にもチャットボットの利用を検討している企業やFAQなどのチャットボット機能の改良を考えている企業にもサービスの提供を行っていくようだ。
最後に
人手不足が叫ばれる中で、電話の自動応答は様々な業種で大きな力になることだろう。ネットサービスを利用できない高齢者にも簡単に利用できる、自動応答AIサービスの需要は今後高まっていくことも考えられる。開発の最先端をいくユニロボットには今後の発展への期待が高まる。
社名:ユニロボット株式会社
設立:2014年8月設立
代表者名:酒井拓
所在地:〒151-0073 東京都渋谷区笹塚3-2-15 第Ⅱベルプラザ5F
TEL:03-6822-9222 (営業時間 平日10時~19時)
WEB:https://www.unirobot.com/
事業内容:
・コミュニケーションテクノロジー全般(音声I/F・自然言語処理・感情解析・パーソナルAI・チャット等)に関する研究開発、販売
・コールセンター向けの自動応答AIソリューションの開発、販売
・上記を活用したクラウドサービスの企画、開発、販売(unirobot cloud)
・コミュニケーションロボットの開発、製造、販売(unibo)
・ソフトウェア、ハードウェアの受託開発