新型コロナウイルス感染拡大防止のため、不要不急の外出は控えることが推奨されていますが、
暇な時間をつぶすためアプリで無料漫画を読む人も多いでしょう。
読んだ漫画の履歴から、その人の好みを分析して似た傾向の作品を紹介してくれるマッチング機能
「おすすめ」の表示はほとんどのアプリに採用されていますが、今回は、読む前に今の気分を察して
提案してくれるアプリを紹介します。

人工機能が活躍する『コレヨモ!』


https://mangahot.jp/koreyomo/

株式会社ノース・スターズ・ピクチャーズがサービス提供、株式会社コアミックス開発の
マンガ人工知能『MAI』が読みたいマンガをおすすめしてくれます。
今までのアプリとの違いは、まず最初に絵を選ぶところからスタート。
表示される画像は7×5の35作品で時間ごとにランダムで作品が変わります。
作品名や作者名の検索ではなく、絵(顔)から選ぶのは面白い!
また、気になった画像を3つ選択するとイラストがカラーから白黒のコマに変わるなどアクションも細かい。

3つの画像を選択すると次のページへうつり、さらに細かい診断を開始。
右側には、「楽しい-悲しい」「コミカル-シリアス」「気軽に読める-しっかり読む必要」等、どちらが今の気分に近いかを選択する10項目のスライダーが表示されます。

その選択から人工知能MAIが感情を認識し、その気分にあう8つのおすすめ漫画が表示されます。
また、選択後に左上に表示される「明るく陽気な25才」など、勝手に名称がつけられる手の込んだ演出も必見!

最後に、読みたい漫画をクリックすると詳細が表示され、約2話分の試し読みができます。

中身は「マンガほっと」というアプリで読むのでアプリのダウンロードは必要ですがほぼ無料で読めます。
(9時と21時にライフ回復。1回で4話分無料。※一部有料あり)

漫画アプリでも活躍する”AIのレコメンド機能”とは?

AIがいつの間にか自動で何かを覚えたり突然思いついて提案することはありません。
よくある漫画アプリやECサイトで表示される、レコメンド(=おすすめ)の仕組みは大きく分けて2つの方法があります。

<コンテンツベースフィルタリング>

例えば、漫画アプリで「アクション漫画」を読んだとします。
すると、AIに「アクション」というジャンルに興味がるユーザーと認識され、今度は別のアクション漫画をおすすめします。
ある作者の本を読んだら、同じ作者の別の作品がおすすめに上がってくる・・・など。
また、ECサイトであれば「Aブランドのワンピース」を購入したユーザーは「同じブランドやカテゴリーの商品」に興味を持つ可能性が高いというように、閲覧や購入の結果から同じジャンルの他の商品がおすすめされます。
このように,①ユーザーの嗜好とアイテムの特徴をプロファイルし、②マッチするアイテムをユーザに推薦する手法を,コンテンツベースフィルタリング(内容ベースフィルタリング)といいます。

<協調フィルタリング>

それに対し、Amazonなどで「この本を見ている人はこの本も見ています」や「このワンピースを買った人はこのワンピースも買っています」と表示されるパターン。
この仕組みは、多くのユーザの嗜好情報を蓄積し、自分と他のユーザーの情報を用いて自動的に推論を行う方法です。
例えば、自分がAという商品を購入したとします。
そして同じAを購入した別の人が、Bという商品も購入していたとします。
その場合、同じAを買っているのであれば好みも似ているはずだから、あなたはBの商品もきっと気に入るはずですと、レコメンドする方法です。
沢山の中から自分に似ている人々を探しだし、その人々が持っていて、かつ自分が持っていないものをおすすめするのが基本となります。

従来の漫画アプリでは、上記のようにユーザーの行動を「事後分析」しそこからおすすめ結果を表示させますが、先に紹介した「コレヨモ」が他の漫画アプリと大きく異なるところは、
・事前に、「読者が作品に対してどう感じたか」をAIに学習させておき、
・次に、ユーザーが回答した「その時の気持ちに近い作品」にマッチしたものをおすすめするところです。
これにより、読む前からタイトルや作者、どういうジャンルから検索したらいいかが判らなくても、AIが”察して提案してくれる”ことが可能になりました。

まとめ

「機械は察することはできない」と言われる時代ももう古いかもしれません。
もしかしたら近い未来、人間より素早く細かく自分ですら気づかない感情をもAIがいち早く感じ取ってフォローをしてくれる日が来るかもしれません。