新型コロナ感染防止による外出や外食の自粛をきっかけに、以降増え続けている在宅時間。
一時期は巣ごもり生活の影響による家庭ゴミの発生が前年同月の15%増の地域もあったといわれています。
ゴミ出しは地域によるルールやご近所トラブルへの発展など、身近にひそむ問題のタネ。
そんなゴミ出し問題を解決するヒーローが墨田区から登場!

「すみにゃーる」がゴミの捨て方を案内

東京23区で初となる人工知能を搭載したチャットボット「すみにゃーる」。
対話形式で24時間365日ゴミの捨て方や収集日、粗大ごみの手数料などを教えてくれます。
アプリのダウンロードなどの必要はなく、墨田区のサイトから開くことができます。

すみにゃーる1
https://www.city.sumida.lg.jp/kurashi/gomi_recycle/kateikei/oyakudachi/gomi-bunbetu-chatbot.html

右下にいる可愛らしい黒猫「すみにゃーる」をクリックするとゴミ分別案内ボットが立ち上がり、相談したい項目を選択したりメッセージを送信することで会話が始まり問題解決に導いてくれる。

利用方法は簡単。(選択or自由文回答)

すみにゃーる利用方法
「すみにゃーる」から出された項目を選択し会話を進めていくか、一番下のメッセージ入力欄に直接書いて送信でOK。
例えば「古いパソコン」と送信するだけで

「出したいものがパソコンなら、分別方法はパソコンリサイクルだニャ。」
「区では収集できないけど、宅配便による無料回収が利用出来るニャ。
また、家庭で不要になったパソコンやディスプレイは、メーカーが回収しているニャ。
自作パソコンやメーカーが分からない場合などは、パソコン3R推進協会(03-5282-7685 http://www.pc3r.jp/ )に相談してニャ。」
「因みに、区と協定を締結したリネットジャパンリサイクル(株)が提供する宅配便無料回収サービスの詳細・お申込みはこちらニャ!」

と、一気にここまで回答してくれる。
これまで様々な案内ボットをみているが、1度の質問でここまで細かく的確に回答してくれるのは珍しい。

隠れた人気の理由

実は「すみにゃーる」が各種メディアに取り上げられ話題になっている理由は他にもある。
従来のチャットボット(シナリオに沿った回答のみの対応)にはできない特技。
想定外の質問に対しても回答をする機能。

例えば、全くゴミとは関係ない「恋人の捨て方」と入力をしたところ・・・

「整いました。
突然の雨とかけまして、彼氏彼女の関係とときます。
そのこころは、「ふられたくない(降られたくない・振られたくない)」のが本音です。
いらなくなった傘は、燃やさないごみで出してニャ。」

すみにゃーる返答
従来こういったチャットボットでは想定外の質問やワードに対して「知りません」「わかりません」という味気ない回答が多かったが、なんともお茶目な回答をしてくれる。
上記は本来の使い方ではない部分での話題だったが、キーワードの幅が広く推測して回答をくれるのは、人間と会話をしている状態に近く検索の幅も広がるので使いやすい。
人工知能を搭載したチャットボットならではの機能といえるでしょう。

AIチャットボットとは?

ところで、チャットボットというものがどういうものなのか改めて確認です。
チャット(chat)+ボット(=bot)で、chat-bot。
チャットは会話。
ボットはロボット(ROBBOT)から生まれた言葉で、一定の処理を自動化するために事前に設定されたプログラムのこと。
つまり、事前に決められたシナリオに沿って人間と会話をしている雰囲気で返答するソフトウェアのこと。
単にチャットボットと呼ばれるものの多くは、人工知能(AI)の様な「学習」や「推論」は行わないのです。

しかし、「すみにゃーる」はAIチャットボット
違いはこれまでのチャットボットの機能に加え、ユーザーが入力した自由回答についても様々なキーワードから分析をして理解することや学習ができる点です。
もちろん人工知能(AI)も勝手に賢くなるわけではないので人間の介入は必要ですが、条件分岐などシナリオを書き換える必要がなくAIが出した回答への評価などで学習をさせるこができるもの大変便利。
また、人工知能(AI)の回答についての評価は、ユーザーが知らないうちに回答している(AIの学習のお手伝いをしている)パターンも多くあります。
今回紹介した「すみにゃーる」にはその機能はなかったのですが、よくFAQなどの「問題は解決しましたか?」という質問に対するユーザーのYES/NO選択。
AIの推測した答えに対し、ユーザーから評価が正しいと判断されれば質問文に対する回答レパートリーとして追加され、誤っていると判断されれば追加されません。
自動学習と呼ばれていますが、実際は自動に学んでいるわけではなく回答を蓄積しているという状態なのです。

まとめ:

すでにある身近な便利な機能も、人工知能(AI)の機能がプラスされより正確で使いやすいツールに日々進化しています。
しかしAIの精度をあげていくためには導き出された結果に対する正否判断が必要で、いかに沢山の判定結果を集められるかが今後のカギになります。
無視しがちなアンケートも自分が利用しているAIシステムの向上に役にたっていると思うと、積極的に回答をしようという気持ちになります。
今後のAIのさらなる発展には、こういったユーザーが負担なく自然に協力する仕組みを上手く取り入れてい工夫が大きな影響を与えそうです。