AI医療機器を開発するアイリス株式会社(本社:東京都千代田区、 代表取締役:沖山翔、以下アイリス)に所属するAIエンジニアの有安祐二が、Google主催の世界最大AIコンペプラットフォームKaggleの祭典であるKaggle Daysにて開催されたAIコンペWorld Championshipで優勝いたしました。

​写真左からKaggle Days主催者のMariaさん、チームメイト2名、アイリス有安

アイリスは、コンペティションに参加することで得られる知識・経験が社内の技術力向上・事業の発展に繋がるという考えから、AIチームメンバーのKaggleへの参加を積極的に支援しています。Kaggle Days World Championshipは、予選を勝ち抜いた優秀なエンジニアだけが招待されるリアルイベントであり、世界の一流AIエンジニアとの交流を通じて得られるネットワークや知見は貴重なものであることから、アイリスはAIチームメンバーの予選参加を業務として後押ししてきました。アイリスのAIエンジニアである有安・吉原が予選を通過したことから、両名を2022年10月28日・29日にバルセロナで開催されたKaggle Days 2022に送り出しました。

約5,000人のうち、わずか77人が参加した狭き門であるKaggle Championship本選において、有安が参加したチームは、World Championship本選で同時開催された2つのコンペでどちらも1位の成績を収め、総合獲得ポイントで2位に倍以上の差をつけての優勝に輝きました。

アイリスのAIエンジニアはKaggleにおいて優秀な成績を収めており、有安が2022年に単独でのGoldメダル獲得、AIエンジニア吉原が2021年にKaggle Masterに認定、また単独でのGoldメダルも既に獲得しているため、2人のエンジニアが世界に約300人しかいない(※1)Kaggle Grand Master間近となっております。

アイリスは今後もKaggle参加支援を続け、力のあるAIエンジニアが技術研鑽し事業に還元できる仕組みと組織体制を整えて参ります。今回のKaggle Daysへの参加を通じて、有安・吉原が身につけた技術を、主軸事業である咽頭画像を中心とした画像解析AIにも活用し、医療の発展に貢献してまいります。

有安 祐二のコメント

2コンペ同時開催、総合ポイントを競うというとてもタフな大会でしたが、記念すべき最初のKaggle Days Championshipで優勝出来てとても嬉しいです!
引き続きKaggleで得られた知見を社会の課題解決に活かしていきたいと思います!

CTO福田 敦史のコメント

機械学習の原理や仕組みは、言わずもがな数式で説明可能であり、その理論については教科書や論文を読んだり、構築済みのライブラリを使ったり、チュートリアルを触ってみることで、基礎知識を習得することは可能です。

しかしながら、精度が高く、更に汎用性の高い機械学習モデルを構築するためには、上記のステップだけでは不十分で、各タスク毎に、設定すべきハイパーパラメータ、採択するべき最適なモデル、データセットの加工方法、アンサンブルの方法などについては、数兆を超えるパターンが存在するため、その中から最適な組み合わせに当たりをつけるには、直感に頼らざるを得ません。
この最適な機械学習戦略を見いだす直感力や嗅覚を獲得するためには、一流のライバルがいる競争環境のなかで、とにかく戦い続け、闘う中で仮説と検証のサイクルを高速に回し続けるしかなく、Kaggleはこうした一流の機械学習エンジニアに必要な嗅覚・直感力を獲得するために、最も適した環境だと考えています。

弊社は医療AIの開発を行っており、医療AIにおいては、精度は言わずもがな汎化性能の高いAIモデルの構築が求められるため、高度な機械学習の知識と、直感力の両方が求められます。
この直感力を習得するため、全機械学習エンジニアにKaggleに参加することを推奨しており、有安や吉原などがKaggleに参加することで得られた直感力に大きな恩恵を受けており、実際に私たちのプロダクトのAIのコアにも、彼らの直感によって採択されたモデルやハイパーパラメータが多数組み込まれています。

そんな中、今回の有安のKaggle Days Champioshipで優勝したというニュースは、何よりも嬉しいことで、非常に誇らしいことだと思っています。
ただ、私はそれ以上に、この世界一のAIエンジニアのための一流の競争の場に、有安や吉原が参加し、一流のライバル達と共に議論を交わし、しのぎを削る中で、一流の場に参加することでしか得られない更なる直感力を獲得できたことに、優勝以上に強い喜びを感じており、彼らが獲得した唯一無二の世界一の直感力を活かして、これからも優れたAI医療機器の開発を続けてゆき、世界の医療AIの発展に繋げてゆきたいと考えています。

Kaggleについて
Kaggle(カグル)とは、Google社が運営し世界各国のデータサイエンティストが登録・参加する最大規模のデータサイエンティストコミュニティ・機械学習コンペティションプラットフォームです。Kaggle上にはNASA(アメリカ航空宇宙局)やCERN(欧州原子核研究機構)、マイクロソフトなどの世界的企業・政府機関から投げかけられるデータ・課題が集まり、世界中のデータサイエンティストが競い合いながら解析に挑み英知を共有しています。医療分野では製薬大手のメルク社が創薬コンペティションを開催するなど盛んに活用されており、分野全体に技術革新をもたらしています。
https://www.kaggle.com/

アイリス株式会社について
アイリスは、「みんなで共創できる、ひらかれた医療をつくる。」をミッションに掲げ、深層学習(人工知能)の技術を活用し、医師のもつ匠の技をデジタル化するAI医療機器を開発しています。現役医師でもある創業者沖山翔(東京大学医学部卒、アイリス代表取締役)をはじめ5名の医師を含む8名の医療従事者、厚生労働省・経済産業省出身者、AI医療領域に特化したデータサイエンティスト、大手医療機器メーカー出身者など多数のプロフェッショナルが揃い、医療現場、技術(ハードウェア・ソフトウェア・AI)、法規制を深く理解したうえでAI医療機器をスピーディに開発する体制を構築しています。ファーストプロダクトnodocaは、日本初のAI搭載「新医療機器」として2022年4月26日付で製造販売承認を取得しました。2019年には経済産業省推進の「J-Startup」に選出され、2022年にはForbes Japanより「世界&日本のインパクト企業100」に、東洋経済より「すごいベンチャー100」に選ばれるなど高い評価を受けており、2022年までに総額約40億円の資金を調達し、これまでの開発を進めてきています。

【会社概要】
会社名:アイリス株式会社
所在地:〒100-0006 東京都千代田区有楽町1丁目10番1号 有楽町ビル 11階
代表取締役:沖山翔
設立:2017年11月
URL:https://aillis.jp/

▼nodoca製品サイト
https://nodoca.aillis.jp/

※注釈
(※1)https://www.kaggle.com/datasets/kaggle/meta-kaggle?select=Users.csv のデータを元に当社が確認する限りの情報(2022年11月8日現在)