オラクルは本日、「Oracle Database 23c」にAIベクトルを活用したセマンティック検索機能を追加する計画を発表しました。一連の機能群である「AI Vector Search」には、新たなベクトルデータ型、ベクトル索引、ベクトル検索のSQL演算子が含まれ、「Oracle Database」は文書、画像、その他非構造化データのセマンティック・コンテンツをベクトルとして格納し、これを活用して迅速な類似性クエリを実行することが可能となります。またこの新機能は、大規模言語モデル(LLM)とプライベートのビジネスデータを組み合わせ、自然言語による質問に回答する画期的な生成AI技術であるRetrieval Augmented Generation(RAG)にも対応しています。RAGは回答の精度を向上させ、LLMトレーニング・データにプライベートのデータを含めることによるデータの外部への露出を防ぎます。

Oracle CloudWorld, ラスベガス – 2023年9月20日

(本資料は米国2023年9月19日にオラクル・コーポレーションより発表されたプレスリリースの抄訳です)

オラクルは本日、「Oracle Database 23c」にAIベクトルを活用したセマンティック検索機能を追加する計画を発表しました。一連の機能群である「AI Vector Search」には、新たなベクトルデータ型、ベクトル索引、ベクトル検索のSQL演算子が含まれ、「Oracle Database」は文書、画像、その他非構造化データのセマンティック・コンテンツをベクトルとして格納し、これを活用して迅速な類似性クエリを実行することが可能となります。またこの新機能は、大規模言語モデル(LLM)とプライベートのビジネスデータを組み合わせ、自然言語による質問に回答する画期的な生成AI技術であるRetrieval Augmented Generation(RAG)にも対応しています。RAGは回答の精度を向上させ、LLMトレーニング・データにプライベートのデータを含めることによるデータの外部への露出を防ぎます。

オラクルのミッションクリティカル・データベース・テクノロジー担当エグゼクティブ・バイスプレジデントであるホアン・ロアイザ(Juan Loaiza)は、次のように述べています。「『Oracle Database』は屈指のビジネスデータ・リポジトリであり、ビジネスデータとセマンティック・データの組み合わせこそが、企業が人工知能(AI)ソリューションを導入するために求められています。ビジネスデータとセマンティック・データを単一のデータベースとして管理することで、これらのデータを合わせてより容易かつ迅速に、より高い精度で検索することが可能となります。『AI Vector Search』を『Oracle Database』に追加することで、セキュリティ、データの整合性、パフォーマンスを犠牲にすることなくAIのメリットを迅速かつ容易に享受できます。オラクルの『AI Vector Search』は、機械学習の専門知識がなくても利用可能です。開発者や管理者など全てのデータベース・ユーザーは、30分もあれば使い方をマスターすることができます。」

また、「Oracle Database」および「Autonomous Database」上のアプリケーションにLLMベースの自然言語インターフェースを追加できるようになります。これによりエンドユーザーは、自然言語で質問を投げかけるだけで、必要なデータをシンプルで直感的かつ迅速に取得することが可能となります。さらに、「Oracle APEX」や「SQL Developer」といった「Oracle Database」のツールも生成AI機能で強化され、開発者は自然言語を利用して、コードを書く必要なく、アプリケーションやSQLクエリを生成可能になります。

「Oracle Database 23c(開発コード名:App Simple)」は、データの専門家、開発者、データユーザーが手作業でのコーディングではなく、意図する結果を宣言することでデータを簡単に扱えるようにすることに重点を置いています。データシステムは、新たな自然言語インターフェース機能が組み合わされた「JSON Relational Duality Views」や「AI Vector Search」といった新たなデータベース・テクノロジーを活用したソリューションを生み出します。さらに、開発者はこれらのテクノロジーをオラクルのローコード開発フレームワーク「Oracle APEX」と組み合わせ、完全なアプリケーションを生成できるようになります。このアプローチはデータやアプリケーション開発の未来を示すものであり、生産性を大幅に向上させます。

Constellation Researchのバイスプレジデント&プリンシパル・アナリストであるホルガー・ミュラー(Holger Mueller)氏は、次のように述べています。「ベクトル検索は基本的にはOLTP機能であり、拡張性、性能、信頼性が必要です。ミッションクリティカルなOLTPを提供してきた実績のあるオラクルなどのベンダーは、この市場の勝ち組となるでしょう。エンタープライズ・クラスの性能を提供するオラクルのDNAは、同社のベクトルに基づく新製品の中核となり、CxO達が『Oracle Database』に寄せてきた信頼をさらに高めるものとなります。」

「Oracle Database」のサービスと製品の最新機能は以下のとおりです。
最新の「Oracle Database」およびAIアプリケーション開発

  • Oracle Autonomous Database:開発者は、自然言語による質問を直接「Autonomous Database」に投げかけることで既存のアプリケーションを自然言語対応へ容易に拡張できます。「Autonomous Database」はLLM統合に対するオープンで柔軟なAPIのアプローチを採用しており、開発者はこのような質問に回答するSQLクエリの生成に最適なLLMをオラクルやサードパーティーから選択できます。
  • Oracle Autonomous Database Free Container Image:開発者は無償でダウンロードできるイメージを活用し、「Oracle Cloud Infrastructure (OCI) Always Free」の「Autonomous Database」と同様の高度な機能を使ってでクラウドネイティブなアプリケーションを生成できます。開発者のノートパソコンなど、ニーズに最も合った環境で「Autonomous Database」を利用でき、「Autonomous Database Data Studio」のあらゆるローコード、ETL、アナリティクス、レポーティング機能などシンプルで強力な自己管理型データベースを活用でき、アプリケーションを変更することなくクラウドに移行させることができます。
  • Oracle APEX:開発者はAIを活用して自然言語プロンプトをSQLクエリに変換し、欲しいアプリケーション・コンポーネントを生成することで、安全で拡張可能で機能豊富なエンタープライズ・アプリケーションをより迅速に構築できます。さらに、「Oracle APEX」は、アクションの起動、承認のトリガー、電子メールの送信など、さまざまな動作を可能にする統合ワークフローとプロセス自動化機能を新たに提供します。
  • GoldenGate 23c Free:開発者やDBA、アナリスト、学生が、業界をリードする「GoldenGate」のデータ統合やデータメッシュ機能を無料で利用できるようになります。「GoldenGate 23c Free」は、高度に簡素化された新しいユーザー・エクスペリエンスにより、初心者でも簡単にデータ・レプリケーションや統合が行えるだけでなく、ランタイムの可観測性や診断をよりシンプルかつ直感的に行えるようになります。

次世代の「Oracle Database」サービスおよび製品

  • Oracle Database 23c: この度、OCIの「Oracle Base Database Service」で市場提供を開始しました。「Base Database Service」を利用することにより、データベース・ライフサイクルのアクティビティを自動化でき、インフラ管理を必要としないため運用コストを大幅に削減できます。複数のインスタンス・タイプでの柔軟な仮想マシン・シェイプと、クラウド導入を容易にする従量課金制を提供します。開発者は「Base Database Service」を利用すれば、クラウド上で「Oracle Database 23c」のすべての新機能を素早く活用できるようになりました。また、2023年4月にリリースされた「Oracle Database 23c Free—Developer Release」も、最新版の「Oracle Database 23c」に更新されています。
  • Oracle Exadata Exascale: 次世代の 「Exadata System Software」 は、複数のデータベースをクラウド上で使うときや開発者がより小さな設定を必要としているときにExadataの技術を使うときの利用コストを大幅に削減します。すべてのワークロードに、Exadataの究極のパフォーマンス、可用性と簡便性が活用できるようになります。「Oracle Exadata Exascale」は、マルチテナント、リソースプール、従量課金制などのクラウド機能と、データベースインテリジェントなExadataのストレージやRDMAとを一体化することにより、オンプレミスと「Oracle Cloud」の両方に対応する極めて弾力性の高いデータベース・インフラストラクチャを実現します。また、ストレージ効率の高い先進のデータベース・クローニング機能も搭載されており、開発者の生産性を高めてコストを削減します。「Oracle Exadata Exascale」により、クラウドの導入において、少数のコンピュート・コアしか必要としないコスト重視のお客様でもExadataの全てのメリットを享受できるようになり、Exadataの能力やミッションクリティカルな機能を小規模な企業や部門・部署でも利用できるようにします。
  • Oracle Globally Distributed Autonomous Database(グローバルに分散したAutonomous Database):データ・レジデンシー規制への準拠や高可用性、ハイパースケーラビリティ、あるいはグローバルに分散するユーザーのための低遅延のデータベース・アクセスが求められるミッションクリティカルなアプリケーション用に、シャード化または分散化されたアプリケーション・アーキテクチャの開発と導入の簡素化を支援します。この分散型データベース・サービスは、「Oracle Autonomous Database」 のあらゆる利点にデータの分散ポリシーに基づくお客様コントロールを組み合わせ、OCIのフルマネージド・サービスとして提供されます。
  • Autonomous Database Elastic Resource Pools:「Autonomous Database」を利用してすべてのデータベースをクラウドで統合することにより、お客様の運用効率の向上とコスト削減を支援します。これによりお客様は、データベース・インスタンスを1つのプールに統合することができ、ダウンタイムなしで規模を拡大・縮小できるため、インスタンス毎の別々の支払いに比べて、コンピューティング・コストを最大87%削減できる可能性があります。

AIのための信頼できるデータ・ファブリック

  • Oracle GoldenGate 23c: 「Oracle Database 23c」の新機能によって、より高速で可用性の高いレプリケーション機能を提供、ランタイム管理を容易にして可観測性や診断性を向上、セキュリティの強化を実現します。主な新機能として、Asynch APIを使用したイベントドリブンなデータストリームの公開、非オラクルのデータベースや共有データベースに対応するための「Maximum Availability Architecture(MAA)」機能の拡張、実行時のヘルスチェック機能の向上などが挙げられます。新しいストリーミング・インサートやAIベクトル埋め込み機能により、「Oracle GoldenGate 23c」はAIのベクトル埋め込みをリアルタイムでキャプチャ、移動、生成することで、エンタープライズデータのトランザクションを可能にして、生成系AIやアナリティクスで利用できるようにします。
  • OCI GoldenGate: AWS、Azure、Google Cloud Platformを含むマルチクラウド環境において、オラクルとオラクル以外のソースからの40以上の新しいデータ接続をサポートし、リアルタイムのベクトル埋め込みによるStreaming Analyticsを提供します。
  • Oracle GoldenGate Veridata 23c(ベータ版): データセットを別のデータセットと比較し、同期していないデータを特定し、不正なデータを修復できるようにします。この最新版には、新しいブラウザベースのセルフサービス型のユーザー・エクスペリエンスや新しい高度なジョブ・モニタリング機能、トランザクションをキャプチャする分散型の新しいエージェントが搭載されています。

中堅・中小企業向けOracle Database インフラストラクチャ

  • Oracle Database Appliance X10: 分散した拠点を持つ組織を含めて、中小規模の組織や部門・部署がオラクルのデータベースやアプリケーション、インフラストラクチャを容易かつ経済的に導入し、運用・管理できるようになります。データベースに最適化するよう構築されたこのエンジニアド・システムの最新版は、エンドツーエンドの自動化機能が強化されています。従来世代に比べて最大50%性能を向上し、卓越した価格性能と最小限のIT専門知識でお客様が「Oracle Database」のワークロードをデプロイできるようにします。

オラクルについて
オラクルは、広範かつ統合されたアプリケーション群に加え、セキュリティを備えた自律型のインフラストラクチャをOracle Cloudとして提供しています。オラクル(NYSE:ORCL)に関するより詳細な情報については、http://www.oracle.com/ をご覧ください。

Oracle CloudWorldについて
「Oracle CloudWorld」は、世界中のお客様とパートナー企業を対象に開催するオラクル最大のイベントです。ビジネス上の最大の課題に取り組むために必要なインサイトの探究、スキルや知識の習得、人脈の構築、クラウド・インフラストラクチャ、データベース、アプリケーションやJavaを含む開発者向けテクノロジーを構築し活用する人々からその詳細を学ぶ機会として、是非イベントにご参加ください。登録方法、基調講演の視聴方法、セッション詳細、ニュースなどの情報は、http://oracle.com/cloudworld または http://www.oracle.com/newsroom をご参照ください。

将来の製品に関する免責条項
上記の事項は、弊社の一般的な製品の方向性に関する概要を説明するものです。また、情報提供を唯一の目的とするものであり、いかなる契約にも組み込むことはできません。上記の事項は、マテリアルやコード、機能を提供することをコミットメント(確約)するものではないため、購買決定を行う際の判断材料にしないで下さい。オラクル製品に関して記載されている機能の開発、リリース、時期および価格については、弊社の裁量により変更される可能性があります。

将来の見通しに関する記述
オラクルの将来の計画、見通し、信念、意図に関する本記事内の記述は「将来に関する記述」であり、重大なリスクや不確実性が生じる可能性があります。こうした記述はオラクルの現在の見通しと実際の結果に影響を及ぼす可能性があり、実際の結果が大きく異なる可能性があります。これらの記述およびオラクルのビジネスに影響を及ぼすその他のリスクに関しては、Form 10-K での オラクルの最新のレポートならびに Form 10-Q の「Risk Factors」など、米証券取引委員会 (SEC) に提出されているオラクルの報告書に記載されます。これらの報告書は、SECのウェブサイトまたはオラクルのウェブサイトhttp://www.oracle.com/investorからご覧いただくことができます。本記事内の情報はすべて、2023年9月19日時点で最新であり、オラクルは新しい情報や将来の出来事を踏まえて記述を更新する義務を負いません。

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