ここ数年、ファッション業界で少しずつ有名になってきたD2C。ECサイトを用いずに、自社ブランドの力で売上をあげていく事例を多く見かけるようになりました。今回はD2Cを解説しながら、Instagramを用いたマーケティング例を紹介をしていきます。
D2Cとはそもそも何か
D2C(ディー・トゥー・シー)、もしくはDtoCという言葉を耳にしたことはありますか?
BtoB(法人 対 法人)やBtoC(法人 対 消費者)というのは、耳にしたことがある方も多いのではないかと思います。
D2Cは、Direct to Consumerを省略したマーケティング用語です。
製造者が直接消費者と取引を行うビジネスを指します。
D2Cでできること
今までは製造者が消費者と取引を行うには、卸売業者や外部のECサイトを経由して商品を販売することが一般的でした。
AmazonやZOZOのようなプラットフォームを介さず、自社ECサイトやアプリ、SNSでの集客・販売も可能となり、企業が消費者と直接(ダイレクトに)取引を行えるようになった、というのがD2Cでできるようになったことです。
今回、具体的なサイトをみて解説していきたいと思います。
例えば大手でいうと、UNIQLO。
UNIQLOの商品を購入したいとなると、店舗に行って買うことも多いですが、ネットで商品を買おうとすると、AmazonやZOZOではなく、UNIQLOのECサイトやアプリを使って製品を購入することしかできないはずです。
ECサイトやアプリならではのメリットもあります。
UNIQLOアプリにはUNIQLO IQという機能があり、AIを活用したチャット自動応答システム(チャットボット)で、まるで店員さんに聞いているかのように商品情報や着こなしの検索、店舗の在庫状況の確認、オンラインストアでの購入などをできるようになりました。
大手以外でも広がるD2C
「大手でブランド力があるから、D2Cが成り立っているのではないか」と思われた方も多いのではないかと思います。
自社でECサイトやアプリを作るハードルも、以前に比べれば下がってきました。とはいえ、持ってない中小企業や個人も多いでしょう。
そんな中広がっているのがSNSを用いた販売です。
SNSを用いて消費者へ直接アプローチできる
17kg(イチナナキログラム)
Instagramを軸にしたマーケティングを展開している「17kg」。韓国レディスアパレルを中心に扱うブランドで、10代から20代女性に人気です。
foufou(フーフー)
「健康的な消費のために」という、一風変わったコンセプトを打ち出す「foufou」。SNSでのアピールのほか、「試着会」というアナログなユーザーとのコミュニケーションも大切にしています。
foufou(フーフー)
STELLA VIANA(ステラヴィアナ)
「STELLA VIANA」は、リアリティ番組「テラスハウス」の軽井沢編に出演した、女子大生モデルの又来綾(またらい あや)さんが立ち上げたブランドです。女子大生モデル、そしてフォロワー数15万人オーバーというInstagramerという、抜群の知名度を活かしたブランド展開が強みです。
製造者から見た、D2Cのメリット
D2Cの大きなメリットとしてあげられるのが、中間マージンや手数料などの諸経費が発生しない点にあります。
また、自社のユーザーに対して、商品の購入履歴からAIを用いておすすめ商品を出したり、きこなしを提案したりできるのは、D2Cならではの強みになっています。
まとめ
D2C(DtoC)では、製造者と消費者の間にAmazonなど他のサービスを挟まないため、今までよりも幅広いマーケティングを展開することができます。
料金を抑えられることよりも、その幅広く便利なサービスがユーザーの満足度を高め、結果的に良いサービスとして継続利用にも繋がります。
顧客にダイレクトな販売チャネルを持つ、というのはブランドとして生き残っていくために、これからも必要になるでしょう。