2019年11月末に発生した新型コロナウイルス感染症(COVID-19)。今現在もその猛威は衰えることなく、世界中で多くの感染者、死亡者を出している。そんなコロナに対し、Google社が2020年8月よりAIを用いて今後のコロナ陽性者数や死亡者数などの予測をする『COVID-19 Public Forecasts』始め、同11月には日本版のサービスが開始されていることをご存じだろうか。
今回はそんなAIが予測するコロナについてお話ししたい。

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)ついて

内容に入る前に、そもそも新型コロナウイルス感染症(COVID-19)について簡単に説明していこう。

事の始まりは2019年11月22日。中華人民共和国湖北省武漢市で原因不明のウイルス性肺炎が確認されたことによる。後に新型コロナウイルスと呼ばれるこの原因不明のウイルスは、武漢市内、中国全土と広がり、やがて中国を出て、様々な国と地域へ拡大していくことになる。2020年1月9日には最初の死者が出ており、日本では2020年1月16日に初の感染者を確認されている。

2020年1月中旬から3月上旬にかけて世界各国で感染者が相次いで確認され、2020年3月11日にはWHO(世界保健機関)がパンデミック相当との見解を示し注意を呼びかることになった。その後、各国でロックダウンなど対策を行ったが、感染者数は増加の一途をたどり、2021年1月25日時点で全世界の感染者数は約9970万人、死者数は約214万人に上り、その内日本の感染者数は約36.9万人、死者数は約5920人となっている。

コロナを予測する『COVID-19 Public Forecasts』

さて、そんなコロナの感染が広がっている最中、Google社より2020年8月に発表されたのが、『COVID-19 Public Forecasts』だ。これは「Harvard Global Health Institute」とのパートナーシップのもと作成され、医療、公共部門、このパンデミックの影響を受けている企業などが今後の対策を立てる際に役立つ情報発信する目的として開発された。このサービスでは米国内の各州および郡における以後 14 日間の COVID-19 感染者数、死亡者数、その他の指標に関する予測データが無償で提供され、誰でも利用することが出来るようになっている。

仕様

Google社によると、『COVID-19 Public Forecasts』はジョンズ ホプキンス大学、Descartes Lab、米国国勢調査局などの一般公開データをAIに読み込ませ、時系列の予測を扱う斬新な機械学習をさせることによって今後の予測を可能にしたと発表しているが、残念ながらより具体的な内容(どのように予測させているのか)などは現時点では発表されていない。

日本版『COVID-19 感染予測 (日本版)』

前述した通り2020年11月には本サービスの日本版が提供されている。
日本版では予測の範囲が予測開始日から将来 28 日間に伸びており、その間に予測される死亡者数、陽性者数、入院・療養等患者数などを確認することが出来る。
COVID-19 感染予測 (日本版)

以下が、実際の「COVID-19 感染予測 (日本版)」のサイトだ。

一目でわかりやすく予想される陽性者、死亡者数を確認できるだけでなく、日別の死亡者数、コロナ陽性者数の推移を確認することが出来る。

また、県別の予測も確認することが出来る。

画像では日本全体での数値を表示させているが、都道府県別に表示をさせることが出来るため、例えば自分が住んでいる都道府県のこれからの予測を確認することも可能だ。

『COVID-19 Public Forecasts』からの変更点

本サービスの日本版を作成するにあたり、Google社は感染の態様や広がり方の基本条件は、米国版モデルでも日本版モデルでも同じとしつつ、大元のデータに厚生労働省が発表している 新型コロナウイルス感染症陽性者数および死亡者数等のオープンデータ、Google のコミュニティ モビリティ レポート、平成 27 年国勢調査結果などを含めていると発表している。
国内のデータを使用していることにより日本独自の状況が反映されより正確な予測が可能となり、予測モデルの精度検証では非常に優れた結果を出したということも報告されている。

コロナ対策に活用されているAI

今回、Google社が提供している『COVID-19 感染予測 (日本版)』を紹介したが、この他にもコロナ対策でAIを既に活用している、活用しようとする取り組みは数多く見受けられている。

Facebook

GAFAの一つであるFacebook社はアメリカ時間2021年1月15日に3つのAIモデルを開発したと発表している。これらAIは、X線写真に基づきCOVID-19に感染した患者の容体が悪化するかどうかの予測の支援、COVID-19の患者に追加の酸素がどの程度必要となるかを予測することができ、最大で4日先までの予測することが可能だ。しかも驚くべきことにこの予測は医師の予測よりも優れているという。

ソフトバンク

ソフトバンクはAIを活用し体表温度を検知する「SenseThunder(センス・サンダー)」を発表している。これはソフトバンク社の子会社である日本コンピュータビジョンが開発したもので、AIを活用した顔認識技術と赤外線カメラを使い、マスクを着用したままでも対象者の温度を所要時間0.5秒で測定することが可能となっている。
これは国内の官公庁や企業、病院、映画館、ショッピングモールなどさまざまな場所で既に活用されている。

おわりに

残念ながらコロナの猛威は現時点でもいつ終わるのか予測がついていない。
日本でも程なくワクチン接種が始まろうとしているが、それによって急激に抑えられるようになるのか、それもまた誰にもわからない。
今回紹介した技術はどれも素晴らしいものだが、それをどう生かすのかは我々、人である。
一人一人が節度を持った行動を意識して、1日も早くコロナが収束してくれること願わずにはいられない。